お子さんが小学校を卒業するタイミングで手渡される通知表。
その中に添える保護者コメントは、子どもの成長を振り返り、温かいエールを贈る大切な機会です。
6年間のたくさんの思い出や頑張りを思い出しながら、あらためて我が子の成長を感じる瞬間でもあります。
とはいえ、いざ書こうとすると「何を書けばいいの?」「堅くならない?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
特に初めて書く場合は不安になりがちです。
そこでこの記事では、初心者の方でも安心して書けるように、やさしい口調で、具体的な書き方のポイントや実際に使える例文をたっぷりとご紹介していきます。
文章が苦手な方でも、読んだあとに「これなら書けそう!」と思っていただける内容になっていますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
通知表に保護者コメントを書く本当の意味とは?
家庭と学校の連携を深める大切な役割
通知表の保護者コメント欄は、先生と家庭をつなぐ大切なコミュニケーションの場です。
保護者が子どもに対してどんな思いを持っているか、どのように成長を見守ってきたかを先生に伝えることで、子どもを中心としたより良いサポート体制が築かれます。
また、先生から見た学校での子どもの様子と、家庭での姿を照らし合わせることで、成長の全体像が浮かび上がります。
学校での頑張りだけでなく、家庭での努力や生活態度も伝えることで、先生にとっても大きな参考になります。
保護者からのあたたかいメッセージは、先生にとっても励みになり、子どもへの関わりにも良い影響を与えてくれることがあります。
だからこそ、形式的になりすぎず、家庭ならではの視点を大切にしたコメントが求められるのです。
子どもの成長を見守る総まとめのタイミング
6年生の通知表は、小学校生活の集大成です。
この1年だけでなく、これまでの歩みを振り返り、子どもの成長を実感する良い機会です。
入学したての頃の初々しい姿を思い出すと、心が温かくなりますよね。
1年ごとの成長は目に見えづらいこともありますが、こうしてまとめのタイミングでふり返ると、心の成長や人との関わり方の変化など、さまざまな面での成長が感じられるはずです。
通知表は、そんな日々の積み重ねに感謝し、子どもに「よくがんばったね」と伝える絶好のチャンスです。
ぜひ温かい気持ちを込めて、子どもが自分の頑張りを誇らしく思えるような、前向きな言葉を届けてみましょう。
小学校6年生向け|通知表コメントの書き方の基本ルール
卒業間近の6年生にふさわしい視点とは
6年生は小学校生活の締めくくりであり、中学校へのスタートラインにも立っています。
このタイミングで書く保護者コメントは、これまでの歩みをねぎらうだけでなく、これからの未来に向けて背中を押すような役割も果たします。
この6年間には、たくさんの挑戦や失敗、喜びがあったことでしょう。
ランドセルを背負って初めて登校した日のこと、発表会や運動会で見せた真剣な表情、お友だちとの関わりで学んだことなど、保護者としても数えきれないほどの思い出があるはずです。
そうした記憶のひとつひとつを思い出しながら、子どもが成長してきた道のりを一緒に振り返ることが、何より大切な視点となります。
また、中学校という新しい環境では、より自立心や責任感が求められるようになります。
そうした変化に向けて、「あなたならきっと大丈夫」「これまで通り、自分らしく進んでいってね」といった、前向きで希望に満ちたメッセージを伝えることが、子どもにとって大きな力になります。
前向きな言葉で子どもを肯定しよう
「よく頑張ったね」「成長が嬉しいです」など、子どもが自分に自信を持てるような、前向きな表現を選びましょう。
これまでの努力や挑戦を認めることは、子どもにとって大きな励ましになります。
また、「あのときの○○、よく頑張っていたね」など、具体的なエピソードを加えると、より気持ちが伝わります。
小さなことでも構いません。
努力の積み重ねを親がしっかり見てくれていたことを知ることで、子どもの自己肯定感が育まれます。
短すぎず長すぎず、ちょうど良い文量とは
コメントの長さは、2~3行程度を目安にすると読みやすくなります。
ただし、伝えたい気持ちがあるときは少し長めになっても構いません。
大切なのは、言葉に気持ちをしっかり込めることです。
形式的な文ではなく、保護者の目線で感じたことや、素直な気持ちを綴ることがポイントです。
文末には「ありがとうございます」や「これからも応援しています」など、感謝やエールの気持ちを添えると、あたたかく心のこもった文章になります。
通知表に使える保護者コメント例文【シーン別】
【成長】1年間のがんばりを喜ぶコメント
- この1年で心も体も大きく成長した姿を、嬉しく思っています。
小さなことにも自分なりに一生懸命取り組んでいたことを、家族としてずっと見守ってきました。 - 毎日、前向きに過ごす姿がとても頼もしかったです。
新しいことにも臆することなく挑戦する姿勢は、とても輝いていました。
【努力】挑戦や継続をねぎらうメッセージ
- 苦手なことにもあきらめずに取り組む姿に感動しました。
できるようになったときの笑顔が、家族にとって何よりの喜びでした。 - コツコツと努力を重ねる姿を、家庭でも応援してきました。
時には悔しそうな顔もありましたが、それでも前を向いて取り組む姿は立派でした。
【人間関係】友達との関わりや集団生活にふれる文例
- お友だちと協力しながら楽しく過ごす様子を聞くたびに、安心しています。
優しい気持ちや思いやりを持って人と接していることが伝わってきました。 - クラスの一員として責任を持って行動している姿が嬉しかったです。
委員会活動や行事にも前向きに参加し、周囲と支え合っている姿はとても頼もしく感じました。
【進路】中学進学への期待を伝える一言
- 中学校でも、自分らしくのびのびと成長してほしいです。
新しい出会いや学びの中で、これまでに身につけた力をしっかり活かしていけることを願っています。 - 新しい環境でも、今までの経験を活かして頑張ってくださいね。
少しずつで大丈夫、自分のペースで歩んでいってください。
どんなときも応援しています。 - 緊張や不安もあるかもしれませんが、それ以上に楽しみなことがたくさん待っています。
自分を信じて、一歩ずつ前に進んでくださいね。
【家庭】感謝や家族の気持ちを込めたコメント
- 先生方の温かいご指導に感謝しております。
6年間本当にありがとうございました。
おかげさまで安心して学校生活を送ることができました。 - 家庭でも子どもの頑張りを支えられるよう心がけてきました。
小さな成功も一緒に喜び、悩んだときはそっと背中を押すように寄り添ってきました。 - これからも子どもの成長を温かく見守りながら、引き続き学校と協力していきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
通知表コメントのテンプレート&フォーマット集
すぐに使える基本テンプレート(文例)
この1年間で心身ともに成長した姿を嬉しく思っています。
毎日頑張る姿に、家族も元気をもらいました。
授業や行事を通して、たくさんの経験を積み重ねてきたことが、今の自信につながっているように感じます。
友達との関わりや学級活動にも前向きに取り組んでいた様子を、家庭でも嬉しく思っていました。
先生方の温かいご指導に心より感謝申し上げます。
一言で伝える簡潔なコメント例
- 1年間本当によく頑張りました。
成長が頼もしいです。
これからの活躍も楽しみにしています。 - 先生方の温かいご指導に感謝しております。
子どもに寄り添っていただき、ありがとうございました。 - 毎日を前向きに過ごす姿に、私たち家族も元気をもらいました。
スマホでサクッと書ける短文フォーマット
短いながらも気持ちが伝わるように、
- ○○ができるようになって嬉しいです。
毎日の積み重ねが実を結びましたね。
- ○○先生のおかげで安心して過ごせました。
丁寧なご指導に感謝しております。
- 苦手なことにも前向きに挑戦する姿に、成長を感じています。
通知表コメントにふさわしくないNG表現とは?
避けたい表現や誤解を招く言い回し
「もっと頑張ってほしかった」「期待外れでした」など、ネガティブな表現は避けましょう。
通知表は子どもを応援し、労うための場ですので、読み手である先生やお子さん自身が傷つくような言い回しは控えることが大切です。
また、曖昧でとらえ方によっては否定的に受け取られる表現も注意が必要です。
たとえば「もう少し〜してほしかった」などの言葉も、意図に反して厳しい印象を与えることがあります。
代わりに、「ここまで頑張ってきたことを嬉しく思います」「これからも見守っていきます」といった、温かく包み込むような言い回しを意識しましょう。
コメントはお子さんのモチベーションにもつながる大切なエールです。
プライバシーや家庭事情の書きすぎに注意
体調や家庭の詳細な事情は、あえて通知表に書く必要はありません。
読んでいただく先生への配慮を忘れずに、あくまで学校生活に関係のある内容を中心にしましょう。
「朝起きられないことが多く〜」「兄弟との関係で〜」といった個人的な情報は、伝える必要がある場合は別の機会に連絡帳や面談などで相談する方が適しています。
コメント欄では、「学校での様子を家庭でも話題にしています」「落ち着いて取り組んでいる姿に安心しています」など、やさしい観察の言葉でまとめるとよいでしょう。
先生に対する要望や不満を書かない理由
コメント欄は感謝や連携を伝える場です。
先生への要望・改善点がある場合は、別の機会に落ち着いてお話しするのがマナーとされています。
たとえば「もっと丁寧に見てほしかった」「〜の対応に不満がある」などを書くと、コメント欄の趣旨を外れてしまうだけでなく、先生との関係性にも影響を与えてしまうかもしれません。
通知表のコメントは、保護者と学校が前向きにつながるための大切なコミュニケーションの一つです。
お礼やねぎらいの気持ち、連携を意識した温かい言葉を選びましょう。
担任の先生が嬉しいと感じる保護者コメントの特徴
先生との連携が伝わる一言とは
「家庭でもこのような姿を見守っています」「先生のおかげです」といった言葉は、先生との連携がしっかりと取れていることを伝える、温かみのある一言になります。
こうした表現は、家庭でも子どもの様子に関心を持ち、学校との協力を意識しているという姿勢が自然に伝わります。
たとえば「お話を聞くたびに、先生のご指導のもとで成長していることを感じています」といったような表現を加えることで、より感謝の気持ちや信頼の深さが伝わるでしょう。
また、「先生からのお話をもとに、家庭でも声かけを工夫しています」など、学校での取り組みに家庭が積極的に関わっている様子を伝えることも効果的です。
「ありがとう」を添えるだけで印象が変わる
感謝の言葉は、短くても先生にとって大きな励みになります。
「いつもありがとうございます」「丁寧なご指導に感謝しています」などの一文を添えるだけで、文章全体にやわらかさと温かみが生まれます。
さらに、「子どもが毎日楽しそうに登校できたのは、先生のおかげです」「安心して学校生活を送ることができました」など、具体的な出来事や気持ちを一緒に伝えると、より印象深いメッセージになります。
感謝の気持ちを簡潔に伝えるコツ
難しく考えず、「毎日元気に学校へ行けたことに感謝しています」など、素直な言葉でOKです。
「子どもの様子を温かく見守ってくださってありがとうございます」「一人ひとりに寄り添ったご対応に感謝しています」など、先生への信頼や尊敬の気持ちを込めた表現もおすすめです。
大切なのは、かしこまりすぎず、心からの気持ちを言葉にすること。
短い言葉でも、想いが込もっていればきっと先生の心に届きます。
他学年との違い|6年生のコメントで意識したいこと
低学年〜高学年でコメントのトーンはどう変わる?
低学年では、子どもが新しいことに出会い、少しずつできるようになる過程に注目したコメントが中心になります。
「ひらがなが読めるようになりました」「お友だちと仲良くできるようになりました」など、小さな成長の発見に焦点を当てた喜びの言葉がぴったりです。
中学年になると、集団行動の中での姿や、少しずつ芽生えてくる自主性に対するコメントが多くなります。
「自分で準備ができるようになった」「班の中で責任を持って行動できるようになった」など、行動の成長が目立つようになります。
高学年では、さらに社会性や協調性、自分の意見を持つことなどが大切になってくるため、より内面的な成長を評価するコメントがふさわしくなります。
「友だちと意見を出し合いながら活動に取り組んでいた」「自分の考えをしっかり伝えられるようになった」など、心の成長を意識した表現が増えていきます。
6年生では、これまでの成長に加え、卒業と進学という大きな節目を迎えるため、これからの未来への期待を込めた言葉が自然と求められます。
子どもが自分自身に誇りを持ち、次のステージに向かうための勇気になるような言葉選びが大切です。
卒業・進学を控える6年生ならではの言葉選び
「中学校でも応援しています」「これからの成長も楽しみです」など、未来への前向きなメッセージがよく合います。
たとえば、「これからの中学校生活で新しいことに出会い、どんどん可能性を広げていってくださいね」といったような、期待と応援の気持ちが伝わる言葉を添えるのもおすすめです。
また、「これまでの経験を胸に、自分らしさを大切にしながら進んでいってね」といった表現は、子どもに安心感を与えると同時に、挑戦する勇気も与えてくれます。
子どもへのエールとしての意味を込めて
通知表コメントは、子どもへの手紙のようなものです。
ただの記録や評価ではなく、「よくがんばったね」「これからも応援してるよ」といった、保護者の気持ちをダイレクトに伝えられる場です。
子どもは大人が思っている以上に、親からの言葉を覚えているものです。
何気ない一言が、ずっと心に残り、自信や安心感につながることもあります。
だからこそ、通知表のコメントには、「あなたをいつも見ているよ」「どんなあなたでも大切に思っているよ」というメッセージを込めてみてください。
それが子どもにとって、何よりのエールになるはずです。
通知表コメントで悩んだときのヒント集
「何を書けばいいかわからない」場合のアイデア
「どんなことに取り組んでいたか」「何を嬉しそうに話していたか」など、日々の小さな記憶をヒントにしましょう。
たとえば、家で話していた学校での出来事や、楽しみにしていた行事、好きな教科の話題などを思い出すことで、自然とコメントの素材が見つかります。
また、朝の支度をスムーズにできるようになった、帰宅後に自分から宿題に取り組むようになったといった家庭での様子も立派な成長の証です。
そういった日常の中の“できた”を一つ一つ言葉にしてあげると、気持ちがこもったコメントになります。
もしそれでも難しいと感じるときは、「1年間、無事に通学できたことが何より嬉しいです」といったように、基本的な生活リズムや健康面に着目するのもおすすめです。
書こうとするよりも、子どもの日常を思い浮かべることから始めてみてください。
ネガティブにならないための表現テクニック
言いにくいことがあっても、「〜をこれからも見守りたいです」「今後の成長を楽しみにしています」など、前向きな表現に言い換えるのがおすすめです。
たとえば「落ち着きがない」ではなく「元気に活動している様子を見守っています」と言い換えるだけで、印象は大きく変わります。
他にも、「苦手意識があるようでしたが、少しずつ向き合っている様子を感じています」といったように、課題があっても努力を認める形にすることで、やさしく見守る姿勢が伝わります。
伝えたいことを“否定”ではなく“応援”の言葉に変換することで、より温かみのあるコメントになります。
形式的ではなく、自然で温かみのある書き方とは
定型文に頼りすぎず、わが子への気持ちを込めて書くことが大切です。
たとえば、「家でも○○をがんばっていたね」「○○のことを嬉しそうに話してくれました」など、個人の様子を交えると自然な文章になります。
「〜に取り組む姿を見て、成長を感じました」「○○ができるようになったことを喜んでいます」など、具体的なエピソードや感情を添えると、より読み手の心に残ります。
気負わず、親として子どもを見守る気持ちをそのまま言葉にすることで、自然とあたたかいメッセージになります。
完璧な文章でなくても、心からの言葉はきっと伝わりますよ。
まとめ|通知表コメントは子どもと先生への心のメッセージ
通知表の保護者コメントは、決して難しく考えすぎなくて大丈夫です。
形式にとらわれる必要はありませんし、立派な言葉を使わなくても構いません。
何よりも大切なのは、子どもへの愛情と、先生への感謝の気持ちを素直に伝えることです。
書き出しに迷ったときは、「この1年間を通して思ったこと」「成長を見守る中で感じたこと」など、普段感じていることをそのまま書いてみるのが良いでしょう。
たとえば「朝の準備がスムーズになって感心しました」「苦手だった音読も楽しそうに練習していました」など、ささやかな出来事でも十分に意味のあるメッセージになります。
また、先生への感謝の気持ちも一緒に添えることで、読み手である先生にも励みになります。
「毎日温かく接していただき、ありがとうございました」「子どもの話にいつも丁寧に耳を傾けてくださり、感謝しています」など、具体的な関わりへのお礼を伝えると、より心が伝わるでしょう。
自分らしい言葉で書いてみること。
それだけで、きっとその言葉が、子どもや先生の心に温かく届くはずです。